スマート製造のクライアント事例

クライアント事例 ①:日用化学品会社

会社紹介

設立30年以上、主に洗浄用品、環境衛生用品、家庭用洗浄用品、個人衛生用品などを製造する会社である。本部は台北に所在し、台北、台中および高雄に支店があり、ベトナムにも工場を設置し国際化を図っている。また、グリーン製品にも力を入れており、サステナビリティのほか、地球環境保全に配慮した国際的な企業を目指している。

# リモートで生産状況を把握
# 生産ラインの状況が一つの表で一目瞭然
# 生産情報を一元的に収集し、各部門と情報を共有
# デジタル化によって、オフィスのペーパーレス化を実現

企業が直面した課題

  • 出荷が間に合わない、顧客に謝罪しなければならないと営業担当者が毎日のように頭を悩ませている。
  • 生産管理者が工場の生産状況をうまく把握できず、生産ラインに毎日行き確認しなければならない。
  • 責任者のオフィスにレビューや承認待ちの書類が山積み。
  • スマート製造、デジタルトランスフォーメーションを目標としているものの、どこから始めたらいいのか分からない。

PwC台湾のソリューション

  • 作業フローの分析と作業ステップの解析によってタクトタイムを把握し、センサー応用機器(遮断センサー、バーコードリーダー)を取り付け、生産プロセスの自動化と簡素化を行いました。
  • 設備が古くPLC制御がないため、センサー応用機器(I/O変換器、シグナルランプ変換器、組込みPC)を用いて、SCADAと類似したシステム構造を確立して、設備の生産情報を収集できるようにしました。また、エッジコンピューティングを用いて効率の良いところでデータを計算・統合しフィードバックを行いました。
  • データの統合とフィードバックを通じて、システムを可視化することで、生産ラインの設備の状況をタイムリーに把握でき、設備に異常がある場合に、すぐに調達や生産手配などの方針決定ができるようにしました。また、注文の要求を把握することで、顧客の要求する納品日までに納品し、納品率を確保できるようになりました。

企業が得られた効果・利益

  • タイムリーな作業報告が自動的に行われるようになり、毎日行っていた手書きによる生産状況のフィードバックが不要になったことで、従業員の作業負担を軽減し、生産効率を上げることができました。(2時間を費やしていた手書きレポートが2秒で作成できるリアルタイムなレポートに生まれ変わりました。)
  • 設備の生産情報を収集することで、設備の稼働状況を分析して遊休設備、設備ダウンなどを回避し、全体の設備の稼働率を向上させました(全体の設備の稼働は20%以上向上)。
  • 事後的にしか把握できなかった指標が、デジタル化されたリアルタイムな生産レポートで分かるようになり、タイムリーなフィードバック、意思決定、対応ができるようになり、生産効率を上げ、無駄を低減し、生産能力を拡充することができました。

クライアント事例 ②:台湾ハンドツールメーカー

会社紹介

設立40年以上、台湾最大手のハンドツールの研究開発メーカーであり、世界でも上位5位のハンドツールメーカーである。台湾内で数々の賞を受賞している。

# 少量・多様生産が生産スケジュールや原材料管理の負担にならなくなった
# 生産スケジュール(IN)・設備稼働(Process)・製品の生産(Out)間のギャップが解消された
# 購買情報を統合し、サプライヤーとの橋渡しを確立
# システムがコスト削減、売上向上、収益向上を効果的に実現

企業が直面した課題

  • 生産に必要な原材料がなく、生産に不要な原材料が工場に溜まっているというフィードバックが生産ライン担当者から毎日のように来ている。
  • 注文書を受け取ったかどうか原材料サプライヤーに購買担当者が毎日電話確認していたり、原材料の納品状況を常に心配している。
  • 日々の設備の稼働時間とその生産量が比例しておらず、製造責任者がいつも頭を悩ませている。
  • 他社ではワンクリックでレポートを作成できるのに、4時間をかけて翌日の朝礼用の生産データを整理しなくてはならない。

PwC台湾のソリューション

  • カスタマイズされた生産ラインの作業報告システムを確立するほか、設備IoTにより生産パラメーターをアップロードし、バックグラウンド計算を通じて統合することで、設備の状況を把握し、生産スケジュールとのギャップ、生産の進捗状況を把握。
  • B2Bサプライチェーンシステムの構築をサポート。クラウドテクノロジーを運用し、会社の外部委託先への発注のためのコミュニケーションプラットフォームを構築することで、原材料の納品期限のフィードバックなど、サプライヤーからの原材料の生産状況を把握。
  • サプライチェーンシステムの機能とERPを紐づけ、バーコードとバーコードリーダーを利用することによって、サプライヤーの納品作業を簡素化し、原材料の検収、入庫などの作業時間を短縮しました。

企業が得られた効果・利益

  • 設備の状態がデジタル管理され、リアルタイムで表示されるようになり、工場全体のタクトタイムが一目瞭然になりました。また、現場が自動化・効率化され、急なオーダー、割り込み注文、注文変更に製造部門が頭を悩ますことがなくなりました。
  • 従来の紙面による作業指示にデジタルされたシステムが取って代わり、手順表情報がシステムでバックグラウンド処理されるようになったため、製造プロセスのノウハウなど機密情報が保護されるようになったほか、生産状況をリアルタイムでモニタリングできるようになりました(原材料の欠品件数が10%以上減少)。
  • IoTおよびクラウドテクノロジーを運用し、川上と川下の資源を結びつけることによって、生産・供給・マーケティング関連情報を統合し、サプライチェーンの生産状況を追跡できるようになり、作業管理の効率化を実現(全体の設備稼働率が15%以上向上)。
Follow us